『AirPods Pro』の長期使用レビュー

2019年11月に購入した『AirPods Pro』。購入後はほぼ毎日のように使い続けています。非常に人気のある製品で評価も上々ですが、実際に長期間使ってみてどう感じたかをまとめてみました。

目次

『AirPods Pro』の概要

Apple<br>相場価格:29,000円

Appleから発売された『AirPods Pro』は、従来の『AirPods』から大きく進化を遂げたフラッグシップモデルです。

アクティブノイズキャンセリング機能の搭載、外音取り込み機能の搭載、カナル型になったことによる遮音性の向上など、数々の機能が盛り込まれたことにより、他メーカーのフラッグシップイヤホンに引けを取らない最高峰のイヤホンになっています。

『AirPods Pro』の仕様および価格

『AirPods Pro』の仕様は下記通りとなります。太字は注目すべき仕様です。

オーディオ機能アクティブノイズキャンセリング
外部音取り込み機能
アダプティブイコライゼーション
イヤホンの型カナル型
バッテリー持続時間24時間以上の再生時間(充電ケースを使って複数回追加で充電した場合)
1回の充電で最大4.5時間の再生時間
わずか5分の充電で1時間の再生時間
イヤホンサイズH30.9mm x W21.8mm x D24.0mm
イヤホン重量5.4g
充電ケースサイズH45.2mm x W60.6mm x D21.7mm
充電ケース重量45.6g
価格30,580円(税込)

『AirPods Pro』の特徴

『AirPods Pro』には先進的な技術が多数盛り込まれていますが、その中でも注目すべき特徴について紹介します。

外部の音を消し去る「アクティブノイズキャンセリング」

『AirPods Pro』でもっとも注目すべき特徴は「アクティブノイズキャンセリング」です。

それまでのノイズキャンセリング機能とは一線を画す性能で、周囲の音をほとんど消し去ります。たとえそれが電車やバスの中のような騒音が激しい場所でもほとんどノイズを消し去ります。

その秘密はイヤホンに搭載されている外側と内側、両方に向けて取り付けられた2つのマイクロフォンにあります。

外側に向けたマイクロフォンは外部のノイズを検知して、その音を打ち消すための音をイヤホンの音に載せます。これにより耳の外側にあるノイズを打ち消すことができ、鼓膜に届く音は流している楽曲だけの音になります。

さらに、内側に向けたマイクロフォンでイヤホンと鼓膜の間にあるノイズを検知して、そのノイズを打ち消すための音をイヤホンの音に載せます。これにより耳の内側にある不要なノイズを打ち消すことができるのです。

外部の音を自然に聞ける「外部音取り込み機能」

『AirPods Pro』の機能は外部の音を消し去るだけではありません。なんと音楽を聴きながらも自然に会話することができます。それを可能にしているのが「外部音取り込み機能」です。

『AirPods Pro』はカナル型のイヤホンなので、本来であれば「アクティブノイズキャンセリング」をオフにしたとしても、外部の音はあまり聞こえません。しかし、「外部音取り込み機能」をオンにすると、まるでイヤホンを付けていないかのように周囲の音を聞くことができます。

なぜこんなことが可能かというと、やはり秘密はマイクロフォンにあります。マイクロフォンで周囲の音を検知して、その音をイヤホンの音に載せることで、音楽を聴きながらも外部の音も聞くことができるのです。

最良の音を届ける「アダプティブイコライゼーション」

イヤホンから同じ音を出したとしても、実際に鼓膜に届く音は耳の形などによって変わります。そのため、人によって最良の音というのは変わるのです。

その人による違いを埋めるための技術が「アダプティブイコライゼーション」です。内側のマイクロフォンによって耳の中に流れている音をサンプリングして、耳の形によって変化してしまう音を、オリジナルに近づけるように修正した音に変えてくれます。

このようにして、誰でも簡単に最良の音を聞くことができるのです。

Apple<br>相場価格:29,000円

『AirPods Pro』の感想

長期間使ってみての総合的な感想としては「最高に良いイヤホン」だと感じました。音質、ノイズキャンセリング、使い心地、使い勝手、デザイン…。いろいろな面を総合的に見たとき、これほど洗練されたイヤホンはなかなかありません。

以降では『AirPods Pro』を使ってみて、

  • 良かったところ
  • 不満だったところ

に分けて感想をまとめました。

良かったところ

まずは良かったところについて紹介します。

ノイズキャンセリングは異次元の完成度

まず「アダプティブノイズキャンセリング機能」についてですが、購入して初めて付けたときの衝撃は半端なかったです。元々ソニー製のノイズキャンセリング機能付きイヤホンを使っていたのですが、「ノイズキャンセルといっても、やっぱり外の音って結構聞こえるよねー」程度に感じていました。

しかし、この『AirPods Pro』は「マジで外の音が聞こえない!」と感じました。もちろんまったく聞こえないと言うこともないのですが、電車内やバス内でも、十分すぎるほどの静寂を得ることができます。

これだけ外部の音を消してくれたら、聞いている音楽にめちゃくちゃ集中できます。また、英会話のリスニング練習なども快適にできます。何かに集中したいときなどにも使える機能です。

付け心地がいい

『AirPods Pro』はカナル型(耳栓型)の完全ワイヤレスイヤホンですが、カナル型とは思えないほど付け心地が良いです。カナル型特有の圧迫感が軽減されており、長時間付けても疲れることがありません。

とくに「外部音取り込み」モードにしたときの付け心地はすばらしく、付けていることを忘れてしまいそうです。それくらい自然な音かつ違和感のない付け心地を実現しています。

なお、「ノイズキャンセリング」モードで使用していると若干圧迫感が増します。しかし、他のイヤホンに比べたら比較にならないほど圧迫感はありません。長期間使ってきましたが「耳が痛くなってきた」、「疲れてきた」といったことになったことはないです。

空間オーディオ(Spatial Audio)は新しい体験を与えてくれる

『AirPods Pro』のバージョンが「3A283」に更新され、iPhoneまたはiPadのOSを「iOS14/iPadOS14」に更新することで「空間オーディオ(Spatial Audio)」に対応しました。

この空間オーディオは想像を遥かに上回るサラウンド環境を提供してくれました。「Dolby Atoms」というサラウンド音声を収録したメディアを再生すると、まさに映画館にいるかのような臨場感を体感できます。

また、『AirPods Pro』と『iPhone』/『iPad』それぞれ内蔵されているジャイロセンサーを活用することで、まるで再生デバイスから音声が出ているかのように音が変化します。つまり、iPhone/iPadを正面に置いた状態で聞くと正面から聞こえるのは当然ですが、顔を右に向けると左側(iPhone/iPadが設置されている場所)から音が聞こえてくるのです。

イヤホンではなくスピーカーを使っていれば当然のことですが、『AirPods Pro』はイヤホンでありながら音に方向を持たせており、しかも不自然さをまったく感じさせません。この機能の為にAirPods Proを購入しても満足度は十分高いものとなるでしょう。

しかし、完璧と思われるこの機能にも、唯一弱点があります。それは対応デバイス/コンテンツの少なさです。現状対応しているデバイスはiPhone/iPadのみの対応であり、アプリも「Apple TV」しか対応していません。今後、Amazonの「Prime Video」や「Netflix」などに対応してくれたとしたら、活用できる場面が大幅に広がるので、さらに有用な機能となるのですが。

【2021年9月30日 追記】
iOS15/iPad OS15のアップデートによって、ステレオ音声を擬似的に空間オーディオへ対応させる新機能が入りました!これにより「YouTube」や「Spotify」といった、空間オーディオに対応していないステレオ音声でも空間オーディオを楽しめるようになりました。

これが想像を遙かに超える良さで驚きました。「擬似的なのにここまで音に広がりを持たせるのか」と感動します。体感的にはステレオスピーカーで聴いているような感じで、とてもイヤホンから出ているとは思えないほど素晴らしい広がりです。

もちろん、「Dolby Atoms」のコンテンツに比べれば、音の広がりは到底適いませんが、それでも普通にイヤホンで聴くよりは断然良いです。『AirPods Pro』の良さがさらに1つ増えましたね。

手軽に音質調整ができる

自分好みの音に調整するとしたら、イコライザーを使った調整が一般的です。でも、イコライザーを使った調整ってちょっと面倒だと思いませんか?

『AirPods Pro』の音質調整はとても簡単で手軽に行うことができます。[設定]→[アクセシビリティ]→[AirPods]→[オーディオアクセシビリティ設定]→[ヘッドフォン調整]と進み、「カスタムオーディオ設定」を選択すると音質調整のガイダンスが始まります。

あとは実際に音を聞きながら、自分が好きな音を選択していくだけで、自分好みの音が出力されるように設定されるのです。とても簡単かつ分かりやすく音質を調整できるので「イコライザーとか面倒だ!」と感じる人にとってありがたいですね。

Apple<br>相場価格:29,000円

不満だったところ

次に長期間使ってみて不満に感じた部分を紹介します。

『AirPods Pro』の不満だったところ

傷つきやすい

これは『AirPods Pro』だけの問題ではないと思いますが、落下には注意が必要です。充電ケースもツルツル、イヤホンもツルツルなので、雑に取り出そうとすると「ツルッ…ガッシャーン!」となりかねません。

両方とも傷つきやすい材質なので、落とすと傷が付いてしまい悲しくなります(汗)。私は裸で使いたい性分なので充電ケースにカバーを付けたりしませんが、傷が気になる方はカバーを付けた方が良いと思います。

傷ついた『AirPods Pro』の充電ケース
傷ついてしまった『AirPods Pro』の充電ケース(泣)

Windowsマシンとの相性はちょい悪い

私が普段使っているデスクトップPCがWindows 10で、Bluetooth USBアダプタを使ってさまざまな周辺機器をBluetooth接続しています。このデスクトップPCでも『AirPods Pro』を接続して使っているのですが、やはり接続の安定性はMacやiPhoneといったApple製品には適いません。

一度接続してしまえば安定して使えますが、再接続時に認識してくれなかったり、接続してもノイズが載ったりします。といっても、発生頻度は低いですし、最初から再接続を行えばちゃんと接続されるので、実用に困るほどではないですけどね。

より快適に使うために

『AirPods Pro』はそれだけでも十分に快適な商品ですが、より快適に使うために揃えたいものがあります。それがワイヤレス充電器です!ワイヤレス充電器の有無で、かなり快適さが変わります。

充電するためにケーブルを差し込むのは面倒だし、忘れてしまいがちです。いざ使いたいときに電池切れ…なんて嫌ですからね。ポンッと置いておけば充電できるというのは、思っている以上に便利で快適です。『AirPods Pro』を買ったなら、ぜひ揃えておきたい周辺機器ですね。

ちなみに私が使っているワイヤレス充電器は安定のAnker製のものを使っています。やっぱりAnkerだよね。

ファームウェアの影響について

結論から言うと、私はファームウェアのアップデートによって不満を感じたことは一切ありませんでした!

『AirPods Pro』はファームウェアアップデートによって「音質が変わった」とか、「ノイキャンの威力が変わった」とか聞きます。ファームウェア「2C54」ではかなりの人が不満を述べていました。

私の『AirPods Pro』も多分に漏れず、このファームウェアになりましたが、とくにノイキャン性能落ちたなとかは感じませんでした。(耳がバカなのかも)

また、新しくでた「2D15」でもそれほど変わることなく、問題なく使えています。あまりファームウェアの問題は気にしなくてもいいのかもしれませんね。

【2020/10/07追記】
その後、AirPods Proのバージョンが「3A283」に更新され、iPhoneのOSが「iOS14」に更新されたことにより、空間オーディオ(Spatial Audio)が使えるようになりました。

まとめ

購入に迷っているなら、まず買って間違いない商品といえます。テレワークが普及し、自宅での作業が増えた今、静寂を得るためにノイズキャンセリング機能が大活躍!

ちょっとでも気になっているのなら、早く買ってしまった方が良いと思いますよ。

Apple<br>相場価格:29,000円
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